第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー白布sideー
I love you tooだって、ずる。
気持ちは一緒だともとれるし、違うともとれる。
でもまぁ、穂波には彼氏いるのわかった状態でのその言葉だから、
まぁ気持ちはわかってるし、その意味もわかる。
『しらぶくんは、名前にラブがある素敵な名前』
「…いや今いいから、それ」
『…ふふ、じゃあ、行くね』
「うん、俺もいかねーと、遅れるわ …いやでもちょっと、もっかい」
『…?』
ハグっていうか… 抱きしめさせて。
さっきからもう、去り際がぐっだぐだ。
ぐだぐだすぎて、開き直れるわ。
手首をぐっと引っ張って、そのまま抱き止めれば。
さも当然かのように俺の腰にまた腕を回す。
中毒みたいになってる気がする。
昨日抱いて寝たからか?
こいつといれるときはなるべく触れていたいし、
抱きしめれば何もかも解決するような気さえする。
『ねぇ、白布くん』
「なに」
『スケボーとおばあちゃん家のお風呂と、もう一つ』
「………」
『白布くんと、海、また行きたいな』
「…だな、俺も思った」
『うん、じゃあきっと、近いうちに』
「そうだな、来年の夏までに」
『…じゃあ、白布くん。いろいろ、いろいろね、達者で!』
そう言うと、ぎゅっと腕の力を少し強めて。
それからふわっと離れていく。
…なんだよ、達者でって。いろいろって。
部活に受験勉強に頑張ってね、ってそれがきっとしっくりこなかったんだろうな、
そこまで理解できてしまうけど、それにしても達者でってなんだよ。
「お前、今日いつにも増して語彙力が残念」
『…なっ …でも否めない』
「じゃあな、穂波もいろいろ達者でな」
『うん!笑』
すぐには会えなくても、
また次があることを信じれるっていうのは悪くないと思う。
ただ、この長い片想いを思うと途方もない。
途方もないけど… まぁ、悪くない。