第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー白布sideー
部室から救急セットを持ってきて、
穂波の手を引いて水道のとこまで行く。
『着替えてからでいいのに…』
「いいから、黙ってされてろ」
流水でもう一度洗い流して、ガーゼで水気を拭いて。
ワセリンを塗ってガーゼで覆う。
『…消毒とかしないの?』
「しない… でいいと思うんだけど、しとく?」
『ううん、しないでいい』
「ここ出たら薬局行くぞ」
『…ん』
結構広範囲だし。
傷パワーパッドのでかいやつ2枚でいけるか?
関節はかかってないし、自分で切って長さ調節できるやつにするか…
痕残んないといいけど。
「いつもスケボーで擦りむいた時どうしてんの」
『…傷パワーパッド?貼ってる。痕残りにくいからって聞いた』
「そっか、じゃあよかった。今それないからさ、とりあえずの処置な」
『ワセリンとガーゼ?』
「うん、ワセリン色々使えるから救急箱に入れといてよかった」
『白布くん…』
「あ?」
『お医者さんみたいだね、どきどきしちゃう』
「は!?やめろ、変な妄想すんな」
『え!変な妄想なんてしてない。お医者さんか、保健室の先生って感じ』
いや俺はちょっと変な想像しそうになるから…
「だから、もうそれやめろ」
『…ん』
部室に戻って汗拭いて着替えて。
ほんとはシャワーも浴びたいけど。
部室の外で待ってる穂波に合流する。
『あれ、白布くん、鞄ちょっと大きめ?』
「ん?あー、今日仙台帰る」
『え!そうなの!』
「外泊届け出した」
『じゃあ、バスも一緒だね。わーい、長くいれるの嬉しい』
「…うち泊まってけば?」
『ん?』
「薪風呂も入るって前、約束したけど前回もできなかったし。
でもさすがに穂波のおばあさん家からは次の日の部活間に合わないし」
『………』
「とりあえず、泊まってけば」
理屈になってない。
言ってて馬鹿馬鹿しくなってくる。
「理由意味わかんねーな。ただ、長く一緒にいたいだけだけど。
母さんもあの感じで、っていうか、母さんから提案してきたから」
『…そっ …かぁ、うん、じゃあお言葉に甘えてそうする♡』
すっげーあっさりした返事。
気が抜ける。