• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
















「そう言えばさ、さっき」

『うん?』

「怒ってるよー!って随分快活に言ってたけど。怒ってたの?」









なんだっけ…?









「ゼリーぶつけられた時」

『あぁ…あったね、そんなことも ふふっ』

「………」

『ちょっと怒ったかなぁ 食べれるのにー!って』

「…はぁ」

『え、溜息』

「ほんと、能天気ですね」

『うう…異論ないです…』

「…まぁでも、腑に落ちました」

『ふふっ』






怒ってるよ、ってわざわざ言ったのは、
その方があの子も気がラクかなと何となく思ったから。








『でもどうしてあんなに取り乱していたの?』

「…ほんと、脳天気」

『…?』

「いいよ、気にしなくて。 …って、被害被ってるから気になるなら知るべきか」

『被害?』

「…はぁ 歩いていたらゼリーをぶつけられるのは一般的に被害を受けたと捉えます」

『…あぁ でも』

「結果的に楽しかったから、とか言うんでしょ」







…図星







「強くぶつけられて背中赤くなってたのに」

『蛍くん、怒らないで』








ちょっと蛍くんの声に苛立ちが見える。









『…あ、でも怒って良いか、やっぱり』

「………」

『だって、その流れで水遊びしちゃって蛍くんは今生乾きの靴を履くことになってるもんね』

「…ぶっ 笑 そこですか」

『そこですよ、気持ち悪いよね?』

「そうだね、だいぶ。 …まぁ良いけど。 まぁ良いって思わせる人が一緒にいるから」







そう言ってまた、蛍くんは優しい目をしてわたしをみる。
今日、何度もこの目を、見たな。
その度にわたしの胸はきゅってする。






そろそろ行きますか、の蛍くんの声でグラスの水をくいっと飲んで。
お会計を済ませて喫茶店をあとにする。











/ 1061ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp