第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
どんなに硬い地面の上でも寝れる。
暑くたって寒くたって。
それはそれでチョット心配になるけど…
って前に研磨くんに言われた。
空と陸との隙間に潜り込んで寝るのは、いい。
…にしても汗びっしょりでちょっと意識が戻ってきた?ころ、
ぴとって首筋につめた〜いもの。
気持ちいい…
「穂波さん、喉乾いてない?」
蛍くんの声ではっきりと戻ってくる。
ここがどこで誰と何してるか。
『喉、乾いてる。飲んでいいの?』
身体を起こすと蛍くんがペットボトルに入ったポカリを渡してくれる。
冷たい。まだ、蓋開いてない。自販機で買ってきたのかな。
ワンピースの裾あたりにタオルをかけてくれてるし…
『幸せな居眠りだった。ありがとう』
ごめんねって言おうと思わない程に、蛍くんの顔が優しくって。
思うままを言葉にした。
「…腕にも脚にも石とかくっついてる。痕もすごいよ」
『…ん大丈夫、石は払えば落ちる。あとは時が解決する』
「…笑」
勉強してたのかな、参考書が蛍くんの隣に置いてある。
コンパクトな、持ち運びしやすいやつ。
『蛍くん』
「はい」
『いつもありがとう』
「はい?なんか敬老の日みたいな」
『あははっ 父の日通り越しちゃった』
「………」
昼寝の余韻でだるくてぼけーっとする。
それを蛍くんはせかすこともせず、隣で待ってくれる。
もうTシャツを着て、ズボンも履いて。
時折Tシャツをパタパタして扇いでる。日陰にいても、暑いよね。
しばらくぼけっとしてからタンクトップもボトムもほとんど乾いていたからしゃしゃっと着替えて。
蛍くんが洗ってくれたゼリーのついたシャツも乾いてるけど、暑いし着ないままリュック背負って。
やっとこ、烏野高校をあとにする。
「白鳥沢行くまでの時間冷房聞いたとこ、行かない?」
『うん。どこがあるかな。お任せします』
そういうと、ちらっとわたしを見下ろし、それから蛍くんはふって笑った。