第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
「とりあえず、あそこ座ろう」
コンクリートのよいしょって登るくらいの高さ…
わたしの胸元くらいの高さの、これは何?とにかくそういうとこに、よいしょっと登って座る。
学校裏の空き地の緑がフェンス越しに見える。
草刈りを終えたけどまた生えてきたんだな、という丈の草たち。
それからおいおいと茂る緑を蓄えた梅の木。
今年の梅干しも美味しくできた、と思う。
ちょっと寝かせてからまた食べようって思ってる。
聖臣くんにも食べてもらいたいな。
今度はゆかりも一緒に渡してみよう。
梅の木を見ながらぼんやりと思いを巡らせてると、胸元に指が掠るように触れる。
『へっ…』
蛍くんがわたしのシャツのボタンを外している…!?
「…笑 ぼけっとして一向に脱ぐ気配がないから」
『やっ 蛍くんッ』
「いいからじっとしてて」
『…いやいやいや』
なんかすごい恥ずかしい…声が小さくなってく
「なに想像してるの?」
蛍くんは安定のいじわるで魅力的な顔でこっちを見てくるし
『…んっ』
その顔はだんだん近づいてきて、ボタンを外しながらキスされる。
確かめるように優しいキスを一度。
それから舌が深く深くはいってくる…
ボタンを外し終えると、
そっと両手でシャツを下げて腕を抜くように促されて、わたしはシャツを脱ぐわけだけど……
「…ちょっと」
『…ん ごめん』
「いや、謝るとこじゃないけど でも」
『………』
「…はぁ、まぁこれは君にとっては脱げばいい案件かもね」
蛍くんの呆れたような諦めたような声。
『…?』
「ほんとにそれでいいなら、シャツ水で洗ってくるけど」
『えっいいよわたし自分でする』
「いいから」
『じゃあ一緒に行く』
「やだ、君水遊び始めそうだから」
『あはは!それは否定できないけど、烏野の水道にわたしも行きたいから行く』
「はい?」
蛍くんは心底意味不明という顔で首を傾げる。