第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
烏野にはマネージャーがいるわけだし、
わたしは本当、見物をしてる。
練習方法が音駒と一緒だったり違ったり。
合宿中はひたすら試合形式だから、
この烏野のいつもの練習を見るのは初めてで楽しい。
「穂波ちゃん、ちょっといいかな?」
練習が一通り終わりクールダウン前のちょっとした時間。
力くんが、わたしのとこに。
『はーい、なんでしょう?』
「…あの、さ。 …うちの奴らが、穂波ちゃんに」
ちょっと、申し訳なさそうに話を切り出す。
どうしたかな。
『…?』
「ストレッチのペアを組んでもらいたくって、あみだくじしようって言ってるんだけど」
『…笑』
さっき、練習終わりのストレッチ一緒にやってほしいと影山くんからは頼まれた。
それで、うん、もちろん。と答えた。
「影山ばかりずるい、合宿中は譲るから今日は平等にくじやるぞって」
『あはは!』
「それで、穂波ちゃんの意思を聞こうと思って。
影山がいい?他の奴らでもいい? …あ、奴らっていうかくじするなら俺も入るから、その」
『うん、もちろん。影山くんが納得してくれてるならわたしは全然』
「影山は見ての通り、納得はしてないみたいなんだけど、まぁきっと穂波ちゃんからの一言があれば」
みんなのいる方を見ると、翔陽くんと影山くんが言い合いしているのが見える。
「あ、ちなみにくじに参加しないのは田中だけ」
『はぅぅ……』
「…? それで、いいかな? 彼氏は特にその辺大丈夫なんだよね?」
『え?あ、うん。彼は、その辺大丈夫だよ』
「うん、じゃあちょっとくじやってくる。ありがとう」
『…笑 いえいえ』
あみだくじって、なんか笑える。
そして田中くんが参加してないことに悶える。
あああ、潔子さんからぐいっといって、たじろぐ田中くん。
でも決めるとこはビシッと決める田中くんがみたい。みたい。見たすぎる。
「よーっしゃああああああああ!!!」
「お疲れー!」
大きなよっしゃあに重なる、入り口から聞こえるお疲れの声。