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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit


ー穂波sideー






「なんでその設定が頭に浮かんだの?ドキュメンタリーかなにか?」







蛍くんがそれ以上でもそれ以下でもない、
ただそのままの質問をまた。








『親の友達のピアニストさんが音楽療法をしてて。一度、話を聞いたことがある』

「………」

『その時わたしは中1で。今よりもっと幼いながらに考えた。
それで笑顔にできたらなって言葉に出した』

「………」

『直接的じゃなくて、わたしが笑わせるんじゃなくて、笑顔になるお手伝いっていうか』

「………」

『まずは怒りだよ、って』

「………」

『まずは、怒り。それから涙。その先に笑顔があるって、その人は言ってた』

「………」

『音大を出たピアニストさんだけど、スーダンのその時の状況はピアノとかそういう感じじゃなくって。
ピアニカと、あとは現地の楽器でいろいろ、一緒にやったりしたって言ってたかな… ちょっとうる覚え』

「…怒り」

『ね、怒り。 そっかぁ、ってなった』

「………」

『…ってそうじゃなくて。蛍くんと、一緒』

「はい?」

『わたしも、きっとゆっくりでいいから、一緒にできること一緒にして過ごしたいなって思う』

「ですね」

『些細なことかもしれないけど』

「うん」

『日々を織りなす些細なことは積み重ねると、年に一度のイベントより壮大なことだよね』

「そうだね。そんな些細なことを、僕はもっと穂波さんと重ねて行けたらなって切に思うけど」

『………』

「でもまぁ今日、また瓶のりんごジュース一緒に飲めたし」

『うん』

「桃とメロンのショートケーキも食べたし」

『うん』

「このあとキスだってするし」

『うん …ん?』

「それ以上のことだって、穂波さんが望めばいくらでも」

『…蛍くん〜〜〜』

「ははっ それで質問なんだけど、」







あ、答えてなかった。







「ちょっと変えるよ。もしかしたら解釈が違ってるのかも」

『…?』

「ボブ・マーリーはthree little birdsで何を言ってるの?
解釈は人それぞれだろうけど、穂波さんはどう捉えてる?」

『………』








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