第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
「…食べないの?桃とメロンのショートケーキ、穂波さん一押しの組み合わせ」
蛍くんが小さく首を傾げるのは、罪深い。
罪深いほどにかわいいのだ。
『…食べる』
「え?聞こえない」
『食べる』
「はい、じゃああーんして?」
『あーー ……んっ ………んー!美味しい!!』
おいしいおいしいおいしい!
ロールケーキの時点でここのケーキは美味しいぞって思ってたけど。
本当においしい。クリームの甘さ、テクスチャ、量。
スポンジとシロップの塩梅、程よい卵感。
それからみずみずしくも味の濃い桃とメロン。
『蛍くん!すっごいおいしいね!』
「ね、仙台にこんな店あるなんて知らなかった」
『これはどれ食べても美味しいやつだよ』
「うん、ティラミスもちょっともらったけどほんとに、美味しい。チーズケーキもすっごく美味しい」
蛍くんのお母さんがふっと話に入ってきてくれる。
何だか蛍くんと2人の世界に入ってしまいそうだったから、うん、よかった。
それからまたみんなで、喋りながらお茶をして。
「なー、蛍。風呂どうする?」
明光くんが蛍くんに話を振る。
「風呂? …普通に」
「△△の湯行く?」
「あ、いいね。 …穂波さんどう?温泉行く?家から車で20分くらい」
『え、うん。みんなが行くのなら、是非』
「じゃーそういうことで!準備してでるぞー!」
蛍くんのお父さん、お母さんは行かないとのことで、
ケーキを食べて出た洗い物はやっておくから準備してきてって。
それでさくっとお風呂セットを用意して、
明光くんの運転で、温泉施設へ向かう。
わーい、嬉しいなー。