第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
いろんな色があるんだけど、
蛍くんに一番しっくりきたのはOATって色。
わたしと色までお揃いにしてしまった。サイズは、違うんだけど。
何だか急に恥ずかしい。
「嬉しい、ありがとう。持ち歩く」
『…ん』
「これ、色もいろいろあるの?」
『へっ? …あ、うん。色もいろいろある』
「へぇ、これ穂波さんと同じ色だよね?」
『…ん。なんか結局それが一番しっくりきた』
「………」
『蛍くんは優しい色が似合う』
「…お揃い、か」
『…いやだった?』
「は?馬鹿じゃないの、いやなわけないでしょ」
『ん、よかった。使ってみてね』
ほっ……
そのあと少し、座って話してると明光くんが呼びに来てくれて。
蛍くんの家で夕飯をご馳走になる。
スノボの話でずいぶん盛り上がった。
ご両親も明光くんも、相当スノボが好きみたい。
だから周平のことも結構チェックしてるらしくてちょっと不思議な感じ。
それからやっぱり、蛍くんが小さい頃の話とかにもなるんだけど、
蛍くんはすごく嫌そうにそれを止めてた。
あとはバレーの話とか、進路の話とか。
いろいろと話をした。
家族を知るというのは、すごく何だろう…
パズルのピースが一気に揃うよな感じがあるというか。
背景が広がっていく感じがあるというか。
すごく贅沢で光栄なこと。
『あ、お皿洗わせてください。なんかやってないとちょっと落ち着かないかも』
「でもいろいろ勝手わからないだろうし、いいのよ。穂波ちゃんはお客さんなんだから」
『…え、でも ……あ、蛍くん、一緒に洗わない?』
「…え、僕?」
『うん!あ、でも蛍くんは部活帰りだし洗うのはわたしやるけど、そばにいて欲しいなって』
それで、わからないこととか教えてくれたり、
違うことしちゃったら指摘してくれるといい。
それに蛍くんが一緒だったら蛍くんのお母さんも任せてくれやすいかな、とか。
「…はぁ …ずる」
『………』
「いいですよ、やりましょう」
『うん、ありがとう!』
そうして蛍くんと台所に並んで、洗い物を済ませていく。
2人でやるとさらにあっという間に終わった。