第2章 ふたり
ー研磨sideー
「あと研磨、ほんとにいいの?」
カズマが聞いてくるけど、答えようがないというか。
「…カズマはなんでおれに聞くの?」
「アキくんは来年もツアー出るだろうし、家にいないこと多い。
基本おれと穂波の2人暮らし。
…いや、他にもシェアメイトは現れるかもだし、友達とか大人の出入りもあるだろうけど」
「…で?」
「おれ中学生になるんだよ、穂波が4年の時は高校生だよ」
「それで?」
「普通に子供作れるよ」
『にゃっ……』
「………」
「作るのはちゃんと大きい大会で優勝とかしてからだけど、そういうことはできるよもう」
なんだってカズマはこうもませてるんだろ。
「…それに穂波おれのこと好きだし。研磨も知ってるでしょ」
「おれがダメって言ったらどうすんの?」
「…んー、アキくん家の近くに住めるようにしてもらって毎日行く」
「じゃあ、どっちみち状況は変わんないし別にいいよ、もう。
起きてないこと心配してカズマの可能性も穂波の可能性も潰すみたいなことしないし」
「…ふーん」
確かにカズマは脅威だ。
穂波に好意を抱いて近付いてくる男は多いけど、
別に気にならないことがほとんどだった。
でもカズマは末恐ろしいなって、よく思ってた。
だって穂波、カズマのこと好きだし、よくほわほわしてるし。
スケボーしてる姿はおれがみてもかっこいいって思うし。
…あと、関係ないし だからなんだって感じだけど、
いやそんなの全然関係ないけど、
カズマはいろいろが結構おれと似てる。
おれと違って人見知りじゃないとことかは違うけど、
人懐こいやつじゃないし、基本知らない人とは話さないし。
結果的に似てる、って言われるとこは多い。
…いやそんなの全然関係ないけど。