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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit








「喉渇いた、水ちょーだい」





ぼんやりしたまま遊児が言って。
はい、と渡せばごくごくと飲み干す。






「やべ、全部飲んじゃった」

『いーよ』






遊児は賑やかですぐ調子に乗って、基本お猿さんだけど、
いつもいつもうるさいわけじゃない。

当たり前だけど、こうして割と静かにじっとぼーっとする時間もあって。

そして遊児と過ごすその時間がわたしはかなり好きだったりする。
遊児が遊んでるのをみるの、それから遊児と遊ぶのと同じくらい好き。






「…よし、そろそろ降りっか!」

『…ん、そだね』







次おりますのボタンを押して。
押してからが結構長くって。







そして降りてみれば…








「あっつ……」






まぁ、そうだよね、結構日差しが強くって。
しかもボタン押してからの長かった距離は下り坂で。
つまりこの山道を登っていくというわけで。






『…ふっ』

「ぶははっ…」







笑いが込み上げる。

わたしは小さいとはいえ、泊まりの荷物を入れたバックパックを背負ってて、
手をなるべく開けれるようにスケボーも括り付けてて。
手にはお土産を下げてて。

なにこれ、変なのって、笑えてくる。







「穂波、あれだわ。この道の天辺らへんに湧水汲めるとこあるから、
そこまで倒れんなよ」

『へ?あー、水ないんだったね…笑』








そんなことを喋りながら、くねくね山道を登る。
日はまだ上の方にあるから影は小さくて、
山道でも道路だからあまり日除けはできない。

でも、なんか楽しい。

小さい頃のように遊児と手を繋いで、
たまにふっと手が離れると飛んでジャンプして花とか木の実とか取って渡してきてくれて。
また手を繋いで、歩く。









『はぁ〜遊児といるとなんでも楽しい』

「俺も穂波といるとなんでも楽しい!」

『名に恥じぬ遊児にかんぱーい!』

「いやまだ湧水は先!」






なーんて言いながら、湧水スポットへ辿り着いた頃には汗びっしょりで。






両手に受けてごくごくと、交代で何度も飲んだ。
それから水筒に冷たい水を汲んで、
そこにあるなんだろう?仏様?神様?の石像に手を合わせて。
また手を繋いで歩き出す。










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