• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第4章 宇治金時


ー穂波sideー







盗み聞きみたいなのはなって思って、
一回下に降りることにした。

扉は完全に閉めると音が出ちゃうから、さっきみたいに完全には閉めなかった。








それから研磨くんのお父さんとお話ししてた。
音楽の話、旅行の話。

研磨くんのお父さんとの話はいつも尽きない。楽しい。






「鉄くん、結構時間経ってるけど大丈夫かな」

ってお父さんが言って、あ、そっか。ってなって、
ちょっと部屋に行ってみる、と言ってまた研磨くんの部屋に来たんだけど。

なんだろ、風じゃないけど空気の圧?わかんないけど扉が結構開いていて。

まだ、話してるみたいだった。
2人はもう、2人、だから。
話しても話さなくても2人の空気、時間があるのだけど。
こんなに長い時間話してるのって珍しい気がする。

あまり会わなくなったからかな。





扉の前にきて、次は開いてる扉をノックしようかなと思ったけど、
返って話を遮っちゃうかな、別に内緒話してるわけじゃないし、って思ったりして
ちょっとだけ扉に手をかけるまで時間がかかった。
その、自分が通り抜けるにはもう少し扉を押さないといけないくらいの開き具合だったから。









「…責任とかも含めてって思ったら、やっぱそうなるのが普通でしょ」

「まぁな」

「幸せなのは多分、どこにいても何してても、よっぽど幸せだと思う」

「…そうだな、そんな感じはする。 …お。」






クロさんがわたしに気づいてまた、人差し指を口元に当てる。







「でもそれでも穂波を幸せにしたいって勝手に願うなら、
やっぱ、そういうとこもクリアしたいって思う。 でもさ、」








へ?
研磨くん今なんて言った?









「穂波ってお金稼ぐの苦手そうってちょっと思ってたけど、そうでもないのかな、とか最近思う。
そういう、TOEFLとかSATの勉強してる様子っていうか、その、姿勢?みたいなのみてて」

「あー、なんか言わんとしてることはわかるぞ」

「だよね。 見てて楽しい」

「幸せにしたいっつってて、幸せにされてる的なね」

「………」

「はーい、ごちそうさまでーす」







ちょっとクロさん、どのタイミングで入ればいいのかわかんないよ














/ 1061ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp