第4章 宇治金時
ー研磨sideー
なんかクロへん。
「研磨が浪人するわけないっていう前提で聞くけど、
卒業後大人しく大学生するつもりじゃねーんだろ?」
「…ん? まぁ…やろうかな、とかは思うことはある」
「そういう話も穂波ちゃんにしてんの?」
「したり、しなかったり」
「…ふーん」
「でもまぁ、一回結構詳細に話したかな。だから割と想像ついてると思う」
「あ、ナカ出しした時?」
「…ん」
「なにそれ俺聞いてない」
「は?」
「いや研磨の真似しただけ。でも俺聞いたことねーかも」
「…あぁ、やろうかなってこと?普通にゲームだよ。
ゲームの大会でて、賞金もらって、ってしようかなって」
「簡単に言うねぇ」
「…まぁね。クロには言ってないけどさ」
「…?」
「だからまぁ穂波にしか話してないんだけど。
あ、穂波に話したのもその時初めてだったんだけど」
「…お、おぅ なに?」
「なんでクロそんな固いの」
「いいから聞かせろ」
「国内のいくつかのチームからオファー来てるんだよね、もう結構前からちょこちょこと」
「…は? チーム?」
「eスポーツのプロチーム」
eスポーツって言い方、嫌いだ。
今言っててゾワっとした。
なんでスポーツってつけようとと思ったんだろ……
「eスポーツ……あ、え!?」
「赤ちゃんできたらとりあえずチーム所属してって考えてたけど、
まぁそんな早急じゃなければ所属せずにフリーランスでやってきたいな、って思ってる」
「いやちょっと待て、 …ん? わかったよ、聞いてた、
大学行ってからの詳細な、俺が聞いたことに答えてくれたよな」
「やっぱクロへん」
「…え?」
「は?」
「いやなんで黙ってた? なんで受けなかった?」
「いや単純にチーム所属とかピンとこなかったし、それに…」
「………」
「部活しながらは無理でしょ」
「………だぁぁぁ〜〜〜」
クロは意味わかんない声を出して頭を抱えた。
やっぱクロ、変。