第4章 宇治金時
ー研磨sideー
穂波に見送ってもらって家を出る。
心さんたちは撮影で、
起きた時にはもういなかったのもあって、
今日はなんかすごい、よくわかんないけど一緒に暮らしてるような気分になった。
…変なの。
ふわふわしすぎだ、おれ。
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・
ヴッヴッ
部活の昼休憩、
ちょっとでも涼しいとこに座ってゲームしてるとポッケに入れてるケータイがなる。
【今日夕飯ご馳走になることになったー♡】
クロ。
父さんの職場とクロの行ってる大学は近くにあって、
たまに昼ごはん一緒に食べるとは聞いてる。
それで、夜も誘ったのかな。
バイト休み?あれ、テスト前って言ってなかったっけ。
ま、いいや。
【そっか。わかった】
とりあえず後でうるさいかもしれないから、
読んだよってわかるように返事。
クロも早くLINE登録してくれたら、
既読つくから返事しなくても読んだよって伝わるんだけどな、とか。
ゲームを再開する。
リエーフは相変わらずうるさいし、
虎は相変わらず熱い。
犬岡は無邪気な感じはそのままに、
でもやっぱなんか、長男なんだなっていうか。
いや、虎も長男なんだけど、虎のとこは妹がしっかりしてるし。
犬岡は小さい妹面倒見てるんだな、みたいな長男っぽさある。
どこか、落ち着いてる。
福永は相変わらず。
穂波とどっかいくって言ってた約束、
2人とも楽しみにしてるっぽいけどまだ実現してない。
でも、たまに、ひそひそ話してるのを見かける。
手帳とか部室のカレンダーとか見ながら。
球彦は、うん。冷静。
だんだん、安心感出てきた。
おれともっと交代したらいいと思うんだけど、
バテるまでなかなかまだ、交代はない。
バテる前に交代させてくれればいいのにとか、思うけど…
…穂波の弁当、美味しかったな。