第4章 宇治金時
むっくむく、がっちがち。
昨日の夜のまま裸だから、
このままぐってすればはいる。
穂波の部屋にあるゴムは昨日使ったのが最後の一個で。
おれも昨日切らしちゃって持ってきてないし…
はぁ… だめ、か。
前科があるから、逆に、この一回ちゃんと外に出せばとか。
そういう緩んだ考えが浮かんでくる。
そういう話じゃないから、って理性を呼び戻して繋ぎ止める。
けど、腰はぐりぐりととまんないし、
このままいくと前みたいにずずって挿入しちゃいそう…
わかってはいても、止められない。
やっぱ、おれ、ばかだな。
オスだとか動物だとか言ったら失礼な気がしてきた。
動物はだって、それぞれの命に責任持って生きてるじゃん。
いやおれも、責任っていうか… 絶対に困らせないけど。
まぁ、大体がオスは子育てに参加しないか…
でもゴリラとかオオカミとかライオンとかは、一緒にいるよね。
父さんがそういうドキュメンタリーすきで子供の頃からよくついてた。
それからやっぱ穂波と父さんはある部分、
いわゆるカルチャー的なとこ?サブカル?わかんないけど、
そういうとこで好みが似てる。
好きな音楽、ドキュメンタリー、陶器とかそういう民芸品、工芸品、そういうの。
バチっと全部!ってわけじゃないけど、
結構被ってるとこは程よい感じで多いなって側から見てても思う。
穂波もそういうドキュメンタリーが好きで、ふとした時に話し出したりする。
制作とか興味あるのかな、って思って聞いてみたことがある。
実のところすっごい興味あるけど、まだわからないって言ってた。
もし穂波がそういう仕事についたら、一緒にいれる時間てどれほどだろう、とは、
いやだとか、良いとか、そういう感情抜きで考えたりもした。
アメリカ留学とかそういうレベルじゃなくて激減だよな、とは思った。
でもだから無理、とかそういう風には思わなかった。
いや実際、一緒にいるとこんなにくっついてるのに、
無理とか思わないのって強がりなのか?
でもそういうわけじゃないんだよな……
『…研磨くん?』
不思議そうで、でも温かい穂波の声にハッとする。
すごい、考え込んでた。