第4章 宇治金時
研磨くんの家に着くと、
お母さんがもう帰ってきていたので挨拶をして。
研磨くんが明日のことを伝えると快くオーケーしてくれた。
…嬉しいな。
荷物を持って、花ちゃんのレッスンへ。
「送ってく」
『ありがとう、お腹すいてない?』
「…笑 それ今の穂波が今のおれに聞くこと?」
『…だって、微妙な時間だから』
「空いてない。いつもの時間まで大丈夫。おれそんなみんなみたいに食べないから」
『…ん』
そうだよね、知ってる。
『明日も会えるなんて思ってなかったからそれだけで嬉しいのに、
スタジオまで一緒に歩けるなんてもっと嬉しい』
「…ん。 アイス、希望ある?」
『ううん!今日和のものは食べたし、研磨くんに全て委ねます』
「…ふ わかった」
そっか、それに研磨くんの家であのアイスまで食べれるのかぁ〜♡
たまらんたまらんたまらん!
「でもグラニタは取っとけないから、また宮城から帰ってきて、
カリフォルニアに行く前に行けたら行こ?」
『うん、行く』
おばあちゃん家から帰ってきたら4日ほどこっちで過ごして、カリフォルニアへ行く。
宮城へはわたし一人でとりあえず行って、数日後にお父さんたちが車で来て合流。
カリフォルニアには3人で行く。向こうでは日中別行動が多いだろうけど…
お兄ちゃんの大会もちょうどカリフォルニアであるから、
久々に家族四人でゆっくり会えるのは嬉しい。
オーストラリアでも会ったけど、やっぱ、お兄ちゃん家だし。
なんか、やっぱ違う。
「…楽しそうな顔してる」
『うん、あれもこれもどれも楽しみ』
「…ん、じゃあまた明日。レッスン頑張って。いってらっしゃい」
『うん、ありがとう。行ってきま〜す』
スタジオの前でハグをして、
そのままキスをしてたら ひゅうー って口笛の音がして。
振り返ると、花ちゃんのパートナーのEricだった。
研磨くんを紹介して、それからもう一度またねをして。
スタジオへはいる。
アウアナ。
踊ってると心がまぁるくなる。
自分をチューニングできる、大事な時間。