第4章 宇治金時
「…ハァ 気持ちよかった…… 穂波ダイジョーブ?」
目からこぼれ落ちた生理的な涙、というのかな
悲しいわけでも怖いわけでもなくて
なんだかよくわかんないけど
気持ちよすぎてたまに出て来る涙を指で掬いながら研磨くんが首を傾げる
『…ん、大丈夫 …じゃない』
「…ふ でもやだやだいう割に……」
『…やぁ……』
そんなこと言わないで 恥ずかしい…
「…ふ 笑 もう終わったから、やって言ったらやめる」
次の言葉は飲んでくれた
いつものちょっといじわるだけど、なんだろ、いつもの研磨くん
いやって言ったらやめるから、そっちもやめてね、的な。
「でもおれさ…」
『………』
「変態なのかな」
『………』
「………」
『…笑』
かわいい。
でもなんで?
…確かにさっきの最後のは、なんだろ、犯されてる感じがした。
場所もシチュエーションも、それから研磨くんのペースやテンポも全部が、
ちょっと無理矢理な感じがあって。
でも研磨くんの愛はこぼれ落ちるほどに感じてるし、
っていうか研磨くんだし、よっぽどの状況じゃないとそれは無理矢理にはなり得ない
それに、そう、いやいや言ってた割に身体は完全に求めてた。
『変態な研磨くんなんてもう…』
「………」
『喜んで受け入れます』
「…笑」
『変態でも変態じゃなくても研磨くんはかっこいいし』
「………」
『色っぽいしエッチだしエクニシャンだし……』
「…ふ」
『もう研磨くんのでしかいられないよ、心も身体も』
変態研磨くん説に興奮してつい口が滑る
最後の言葉で研磨くんの綺麗な琥珀色の瞳が揺れた
「…ん、おれの。 もうちょっと待っててね」
『…?』
「なんでもない」
よくわからないけど、優しくて甘い声にとろけてく
「汗冷えた… あったかいシャワー浴びよ」
そう言って研磨くんはわたしの身体を起こしてくれる
一緒にシャワーを浴びて、服を着て。
アイス食べに行こっか、って話になった。