第4章 宇治金時
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「…ちょっともーなんで……」
研磨くんのお部屋に久々に入って、
なんなら初めて来たときよりずっとどきどきして。
というか、初めて来た時はどきどきとかしなくって、
だから、これは一体なに?
『…だって』
「…誘ってるの?」
『へっ ううん、違うの』
「………」
『………』
もじもじしてしまう。
隣に座るのがやっとだ。
研磨くんのせいだ… 研磨くんがかっこよすぎるから…
色気がどんどん増していくから…
伸びていく髪の毛と、変わっていく黒と金の比率がまた色っぽすぎるから…
「マリオカートする?」
『…ん、する』
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一向に上手くなることのないマリオカートはそれでも楽しくっておかしくって、
いっぱい笑ってるうちにどきどきも治った。
なのに、プチっていきなりゲームを切って研磨くんが覆い被さって来たものだから、
心臓が跳ねるくらいどきどきしてすごかった。
「全然集中できない。穂波のせいだ」
そう言って研磨くんはショートパンツの裾から手を入れて太ももを弄りながらキスをしてきた。
「今日、いっぱいあとつける。なかもそとも」
それからそう言って首筋に強く吸い付いた。
じわりと痛みが滲む。
ゆびでつーと痕をなぞりながら、
いつものように「おれの」とつぶやく。
なかにもあとをつけるってどういうことだろう?
よくわからないけど手のひらで与えられる胸への優しい刺激と
首筋を這う研磨くんの舌の艶かしい動き、
それから太ももや付け根を行ったり来たりする気持ちよくもじれったい指の動きに頭が働かない。
「めちゃくちゃにするって、おれ、言ったよね?」
え… あ… そうだ…った
顔が赤くなってくのがわかる。
そんなわたしを見て研磨くんはまた、ふっと小さな笑みをこぼす
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