第44章 その琥珀糖の味は…　※R-15

あくまで
我慢できなくなってしまったのも
大きな声を出してしまったのも
俺の所為だと言いたい訳か

「俺の所為…だと、言いたいのか？
俺としては、時間が許すなら、
もっと…堪えられずにそうなってしまう
君の姿を欲張りたい位だが…」

スルスルと杏寿郎の手が身体を這うと
その度にゾクゾクとしてしまって
あげはが小さく身体を震わせる

「こんな程度じゃ…、
あげは。いつもの足元にも
及ばないんじゃないのか？
たった２回達した程度では、
物足りなくはないのか？」

彼の声が鼓膜を揺らす
その刺激すらが快感となって

「んんっ、はぁ、
ぁ、でもっ…、これ以上は…ッ」

快感が身体を走り回る

その快感をもっとと望んでしまいそうになる

大きな声が漏れるのを
お構いなしにしてしまいたくなる


もう　これ以上は…
自分の理性が持ちそうになかった

これ以上の快感を与えられたら

本能に打ち負かされてしまいそうだ…から

して欲しいって

自分から彼に強請ってしまいそうだもの


「これ以上、欲張れば…
君も限界が来そうだしな。
正直俺も、そうなってしまった君相手に、
自分を抑えられる自信はないからな」

スルッと
太ももから下腹を這っていた手が離れて

大きく開かされていた
着物の合わせを戻された


「それこそ、これ以上欲張れば。
こっちも歯止めも
理性もなけなしに
なってしまいそうだからな。
それにそろそろ。
甘露寺達も、戻る頃じゃないか？」


杏寿郎の言葉に蜜璃ちゃんの名前が出て来て


一気にのぼせ上っていた頭が
しっかりとして来る

そうだ　蜜璃ちゃん達がお風呂に行ってから

結構な時間が経ってる…ッ


「……っ、すいません…、杏寿郎、私…その」


「ん？夢中になりすぎてしまっていたか？
俺がそうしたんだ。
恥じる事でもないだろう？
俺は、そろそろ切りが
無くなる前に、部屋に戻るが…。
それまでの間に、
心を落ち着けて呼吸を整えるといい。
甘露寺は女性だが、今の君のその顔を
誰かに見られるのは良くは無さそうだからな」