第83章 炎屋敷での一時
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「何じゃ…この部屋……」
元々は瞑想室だった…狭い部屋らしいが。
どうにも…この内装は
まるで…連れ込み宿…みてぇだな。
空いてる部屋ならどこでもいいって
俺も言ったけどよ…ッ…。
敷いてあった布団は1組だったが…、
この部屋の大きさ的に丁度…2組…
布団を並べて敷けば…いっぱいになる様な。
そんあ部屋でしかなくて…、
…瞑想をするには
どうにも…この部屋では
…心が落ち着きそうになかった。
布団の上で横になっては…みたが…。
あれこれと…煉獄とあげはの
…褥を想像してしまって…。
横になって身体を休めるには邪念が邪魔をする。
ふと…視線を動かすと…丁度いい位置に
懐紙とくず入れが用意してあって。
余計に…要らない想像が…捗ってしまって。
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その頃…宇髄は屋敷の屋根の上に居て、
遠くの山の方を眺めていた。
ここから見える訳では無いが…、
その方向にはあの狂い咲きの桜の木がある。
「にしても…、不死川のやつ…何してんだ?
決戦の前に…スッキリして寝ようって事かよ」
聞いては…ダメだと…思いつつも…
つい…一緒に居ると思うと…
そっちの方向に耳を傾けたくもなるな…。
いや…、聞かない…俺は聞かない…ッ。
「いや…、俺は聞かないからな…ッ…
決して…アイツの、あげはの
そう言う声が聞きたいとかじゃねぇし…」
煉獄とあげはが居る部屋の方の音は
こっちも気を遣って
聞かない様にしてるけど…。
あの感じだと…、
昨日は…しまくってただろうしな。
わざわざあの3人を胡蝶に預けてたんだし。
そうじゃなけりゃ…疑う…。
ゴロンと…宇髄が屋根の上に寝転がると。
風に吹かれた雲が…流れていくのが見える。
「変な気分だわ…、こんな風に
のんびり空なんて…眺めてよ…。
信じらんねぇよな…、なぁ、透真…」
俺が…寝転んでいる隣に
アイツが要る様な…そんな感じがした。
『そうだね…天元…。でも僕はさ
ずっと…待ってたんだよ…?』
「んなこと、催促されねぇでも…俺は
天元様だぞ?お前は……今の内に
その頸でも…洗っとけよ…、透真」
サァアアッと吹き抜けた風の音は
アイツの…透真の笑い声の様に聞こえた。