第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15
「今は、この形だが…あそこであまり
長々と跡をつけるのに勤しむわけにも
いかなかったからな。これは、まだ途中だ。
これから、仕上げをするつもりでいるが…」
そう杏寿郎が言って来て
この形が途中…?どういう事?
仕上げって?
でもちゃんと ハートの形になってるのに?
そうあげはが疑問に感じていると
その付けた印のすぐ下の辺りを
チュウっと更に吸い上げられて
痛みにも似た感覚がそこから走って
また跡を付けられたのだと知る事が出来たが
「これで、完成…だ」
チュウっと更に歯を立てられながら
その隣の場所を吸い上げられると
その部分から杏寿郎が唇を離して
ふっと満足そうな笑みを浮かべていて
「???…杏寿郎?」
何の事だろうと思って居ると
「可愛らしい蝶だな」
そう満足げに杏寿郎が言って
自分の残した印に指先を添えると
その形を愛おしむ様にして撫でて来て
その指先がなぞる形を
あげはが頭の中で想像すると
その形がハートから蝶になったのだと気付いた
「君は肌が白いから、良く映える…な。
濃く残したから、
数日は舞ってくれると思うが…。
1匹では寂しそうだな、…増やすか?
もっと俺が飛ばした蝶が
君の身体を舞う様を俺は見たい所だが…」
そうニヤニヤとしながら杏寿郎が言って来て
更にただの印ではなく
蝶の形を付けようとして来るから
その額を押さえつけて引き剥がした
蝶 1匹辺りに6回分の跡なのだ
そんな物を身体のあちこちに残されても困る
「いりませんっ、
沢山飛ばして頂かなくても
結構ですからっ!
この1匹で十分にありますので。
やんっ、そんな
蝶々沢山要りませんからっ。
ダメです、やっ、
杏寿郎…それは、んんっダメっ」
「そうなのか、君は控え目なんだな。
そう遠慮する必要もないが…、
俺しかどうせ見ないだろう?
つい君が可愛らし過ぎて、
遊びすぎてしまっていたな」