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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15


杏寿郎の手の上にあった琥珀糖で
何をするつもりなのだろうかと
杏寿郎があげはの方を見ていると

こちらに視線を向けたままで

その手にある琥珀糖を
自分の唇にちゅう…と
押し当てて口付けると

それを杏寿郎に見せつけて来る


それはまるで 杏寿郎よりも

私は琥珀糖が食べたいのだと 

アピールされている様で


「そっちの方が、
俺より甘くて美味しいとでも
言いたげだな?あげは。
俺より琥珀糖がいいか?」

くすくすとあげはが笑って

「杏寿郎は、
琥珀糖にも嫉妬するんですか?」

「何とでも言ってくれ、
…あげは…いいか?」


すぐそこに鼻先が掠める程の距離に
彼の顔があって
その目が熱を帯びているのが分かる

あげはの手にあった琥珀糖を
杏寿郎が手に取って取り返すと


「君は俺より、
こっちの方がいいんだろう?
なら、どれだけ甘いか。
舐めて…確かめてみるといい
あげは、君の舌でな」


促されるままにその琥珀糖を持っている
杏寿郎の手にあげはが
自分の手を添えて固定すると

琥珀糖に自分の舌を
チロッ…を這わせる


「美味いか?」

「んっ、甘い、…ふ…っ」


ペロペロとその表面を舐めれば

舌から甘い味が広がる

チュ…と杏寿郎に聞こえる様に
音を立てて わざとらしくそれに
唇を押し当てて吸いながら
舐めている内に

自分の口の端から

琥珀糖の甘さが溶けた唾液が

零れて顎を伝い

そのまま 杏寿郎の指先を伝って濡らす


「たかだか、琥珀糖一つ食べるのに
随分と、大層だな、あげは。
俺をそんなに煽って楽しいか?」

「でも、舐めて甘いか味を
確かめろと私に仰ったのは
杏寿郎にありますよ?お忘れ?」


あげはの言葉尻が
いつもと違うのに気が付いた

あの 俺にしたがる時に見せる方の

いやらしい 方のあげはだ

ゾクゾクと鼓膜を彼女の厭らしい声が
刺激するのを杏寿郎は感じていた


「そのまま、口を開けるか?」


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