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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15


そう意味がどこかにありそうに
あげはが言って来て 
摘まんでいる琥珀糖を
杏寿郎の唇にチョンと押し付けて来て


促されるままに杏寿郎が口を開くと


そのままあげはが
琥珀糖を口の中に入れて来て


食べなさいとでも言われている様に


感じるのは 気のせいでもあるまい


いや 果たして あげはが食べなさいと

俺に言ってるのは この琥珀糖なのか


それとも 別の何かの方か?


事の次第によっては 自分も食べると言ったか


なら その事の次第とやらは



俺の行動…次第とも取れるか


フッと杏寿郎が口の端を曲げて


成程 理解した


そう言う趣向…と言う事だな


おかしいと思って居たんだ

あげはの纏う雰囲気がいつもと違うと

そう感じていた その違和感の様な感じが


今の行動と態度で輪郭を
描いて行くのが見える気がして


珍しい彼女の方からのお誘いにあるし

元からここには そのつもりで来たんだ

夜に時間をくれと約束させたからな


「あげは…」


ぐっと杏寿郎が

あげはの手首を掴んで来て

そのまま指先に舌を這わされる


私の指に舌を這わせる

その杏寿郎の顔が変わった…


厭らしい事をする時の顔になってるって


チュウっと指先を杏寿郎が
音を立てて吸い上げているのが

指先からの感覚とその音から
伝わって来て

ゾワゾワと背筋が震えるのを感じる

「俺には、君の方が甘い様に感じるが…」


「んもう、私まで
食べちゃダメですから。
杏寿郎、それに私は…、
甘いんじゃなくて
しょっぱいんじゃないですか?」


右耳の声を集めた日記を見るのに
彼女に部屋でしたやり取りを
彼女の方が思い出して合わせて来てくれて

「だったら、逆に俺は…、
今の俺は甘いと思うが?どうだ?」

そう言って自分の舌を出すと
その舌を指さしながら
こちらに視線を向けて来て

あげははそれに何も言わないままに
杏寿郎の手に残っていた最後のひとつの
琥珀糖をあげはが取り上げる様に
持って行ってしまって




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