第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15
そう杏寿郎に促されるままに
琥珀糖が入る位の大きさに口を開くと
そのままグッと彼が指で押して
琥珀糖をあげはの口の中に押し込んだ
そのまま杏寿郎の指先が
あげはの唇に触れて
「俺よりも、今の君の方が
…100倍ほど甘そうだな。
俺も、味見、したいのだが?
確かめてみても?あげは」
「あの、異論はありませんが。
その、でも…杏寿郎、
出来るだけッ…手短っに…その」
そちらから あれだけ俺を煽って
見せつける真似までして
誘って来ておいて
あげはは 随分とつれない事を言うな
この辺りは らしいと言うか
生真面目なのだろうが
いつ甘露寺が
風呂から戻るかわからない事を
あげはは気にしてる様だったが
気にして居られるのは今の内だろうが
聞かれる心配が少ないとは言えども
だからと言って
あまり派手に喘がせるのも…な
聞かれたとあげはが知れば
それこそ 俺は
お小言を頂戴する事になりそうだ
「そう、つれない事を
言ってくれるなあげは。
そんなにすぐには
甘露寺は戻らないんじゃないのか?
甘露寺は風呂は元から長いし、
竈門妹と一緒に風呂に甘露寺が入れば…
ちょっとやそっとでは戻るまい?
風呂ではしゃぎすぎて、
のぼせないか心配した方がいいぐらいだな」
そう杏寿郎が分かり切っていると
でも言いたげに言って来て
時間なら十分にあると言われてしまった
「それに、約束しただろう?
夜に俺に時間をくれると」
そう耳元で確認を取る様に
問いかけれれてしまって
杏寿郎のその問いかけにあげはが頷く
「お約束は守ります、ですから
手短にと…私は言ってるのですが…」
「手短に…か、あまり手短過ぎると
物足りないのではないか?君が。
ある程度は、善処はするつもりではいるが。
風呂場も、竈門少年の部屋もここからは
距離があるが…、あげは。
その…君も困るだろう?
声はなるべく控えて貰えると助かるが?」