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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15



「杏寿郎は、ご自身の感情に忠実に
あられるだけに在りましょう?
と言ったんですが?」

「俺が俺の感情を、
今までに偽った事があったか?」

「…それは、無かった様にありますが」

「なら、偽る必要もないか?
君がそれを俺に許可すれば、
俺は何も堪えない事になるが?」

そう言って含みのある笑みを
杏寿郎が浮かべて来て
その言葉と笑みの奥にある
意図が見て取れた


それを抑えなくていいと

我慢しなくていいのかと


私は 現に今 
彼に尋ねられているのだから


更にもう一つ 琥珀糖を
杏寿郎が口に入れて噛みしめると


「…それにしても、これは甘いな…」


そう漏らす様に呟いた


琥珀糖の味が飲み込んだ後も

まだ 口の中の残っていた


甘いジャリっとした表面の食感と
その下の弾力のある食感のするお菓子



その味わいは非常にシンプルだ



甘い のだ



純粋に甘さだけが口の中に残る


多少の香りも付いてはいるが


ただ ただに 甘い…


甘い  まるで

砂糖その物を食べてるような味だな


この味の記憶を辿ると

あの時の事を思い出した



「こうしてると、思い出されるな。
君が甘露寺の屋敷に行く前に…蝶屋敷で」


「蝶屋敷で、琥珀糖を
食べた時の事にありますか?」


「確か、琥珀糖の味は
苦手だと言ってなかったか?
苦手なのなら別に無理して、
全部一人で食べずともいいが?」

「杏寿郎は、私がこれを
他の人にあげるのはお嫌ではないのですか?」


スッとあげはが畳の上をいざりながら
杏寿郎のすぐ前まで移動すると


杏寿郎の手の上に残っていた二つの
琥珀糖の中のひとつをあげはが摘まみあげる


「…あげは?君も食べたかったのか?」

「いいえ。
私が食べる訳ではありませんから。
でも…事の次第では
食べるかも知れませんけど、私も」




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