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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第43章 箱と袋の中身…


「場所は杏寿郎の
ご自宅の辺りよりも西になるので、
少しばかり遠回りにはなるのですが…。
そのお急ぎでないのであれば、
お願いできたらと…」

「別に顔を見せる程度の事だから、
取立てて、慌てる程の物でもない。
その君の用事に割く分、
家を早めに出ればいいだけの事だ。
母上にも、改めて
ご報告したいと考えて居るが。」


杏寿郎の言葉を聞いて

丁度良かったと思ってしまった

あの時のビードロをお供えしたいとも
考えていたし 杏寿郎も
そうしに行くのに付いて来て欲しいと
街からの帰りの馬車で言っていた

バラの香りの線香を
数本残しておいて良かった

こんなに早くそれが叶う日が来るなんて



「そうでありましたか、杏寿郎。
でも、私も思う所がありました故に。
丁度良かったです。あの杏寿郎、もし
貴方が私と同じお考えでありますのなら
…その、瑠火様の所へは…」

「無論、母上の所へは
俺と君とだけで、
行く募りにしているが?
俺の考えは君と同じだろうか?あげは」


きっと 杏寿郎がしたいのは
正式な結納と結婚の報告だ



死んだ者は帰らん



あの時 槇寿郎様が言った言葉

その言葉の意味は痛い程に分かってる


仲間を失う度に

大切な人を 亡くす度に

それを身に染みて感じていたんだ


こんな仕事をして来ているのだから

死が不可逆な事位は痛い程に知っている



けど 消えてしまう訳じゃない

その人は居なくなってしまった後も


その人が残した

記憶も想いも 途切れたりしないのだから


ずっと 瑠火様が彼に託した その言葉は


今日までの杏寿郎を支えて来たのだから



その 思い出と 誓いと 約束が



彼を ここまで立派な炎柱として


育て上げたのだから



その成長を傍で見守る事が出来ないと

それを知りながらに彼の母親である瑠火様は



傍にいるもさながらに ずっと


彼を支え続けていたのだから…と





そう感じずには 居られなくて


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