第43章 箱と袋の中身…

「んんっ？むんっ！」

禰豆子が洋服タンスの中から
ある物を取り出して
炭治郎の元へ持って来て差し出した

その小さな手に握られていたのは

ラベンダーのサシェだった

元々この洋服タンスは
カナエちゃんの物で
このサシェも元からこのタンスに
入れられたままになっていた物だった

すっかりと香りが飛んでしまったから
私が新しいラベンダーを
買い足して継ぎ足して継ぎ足してをしつつ
アロマオイルをしみ込ませて
今まで使っていたやつだ

「できあがったのに、これを少し。
えっと、そうだな…、２とちょっと位。
混ぜて貰っていいですか？あげはさん。
きっとそれだけよりも、落ち着いて
しっくりと来る様な香りになりますから」

「炭治郎君、アロマテラピーの
講習とかって受けた事ないよね？
確かにラベンダーとバラは
相性がいい、香り同士だから
バラだけだと気取り過ぎるけど
それにラベンダーが混じって、
ベースに線香に入ってる
ウッディなサンダルウッド、白檀ね。
その香がラストノートになるから。
トップノートにバラの香りそれから、
落ち着いたラベンダーの
ミドルノートに移って行って、
最後にサンダルウッドの香が残ると
…流石炭治郎君！
香の見立ては君に頼って正解だったわ」

「んっ♪」

禰豆子がニコニコしながら
ラベンダーのサシェを
あげはに差し出して来て

あげはがそれを禰豆子の手から受け取り
よしよしと禰豆子の頭を撫でた

シュルっとサシェを留めていたリボンを解くと


ラベンダーのドライフラワーが
オーガンジーの袋の中から顔を覗かせて


「小さな藤みたいな、
花なんですねラベンダーって。
それにこの匂いを嗅ぐと
自然と心が落ち着きます」

サシェの中のラベンダーの花を見て
炭治郎が見た目と香りの感想を述べた


袋の下の方にバラバラになって
花だけになっていた
ラベンダーを指定された量合わせると


合わせた物を炭治郎の前に置いた


「はい！俺の思ってた通りです。
これでいいと思います。あの…、
あげはさんも嗅いで貰っていいですか？
どうですかね？俺はいいと思うんですが…」