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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第43章 箱と袋の中身…


あげはがその様子を気にして
炭治郎に声を掛けると

「え、あ、その…、えっと。
新しい匂いではなくてですね。
その、…数日前のではあるのですが、
その匂いがですね。かなり、
その濃密なのが、部屋に残ってるので…ッ」


炭治郎が申し訳なさそうにしつつも
そう自分が感じた事を
素直に言って来たので

炭治郎が言っている 
濃密な香りの意味を
あげはが一瞬で理解して


「ご、ごめんね?
炭治郎君…その、色々と…」

「いっ、いえ、
すいません。こちらこそッ…」


この部屋に炭治郎にしか分からない
濃密な香りが残ってしまって居る
原因を一瞬で思い出してしまって


頭の中に浮かんで来た
その情事の記憶がちらついてしまって

あげはの身体から 匂いとして
知らずにして無意識の内に
滲み出て来てしまっているのが

炭治郎の鼻には嗅ぎ取れてしまって
その甘くて官能的な香りに
当てられてしまいそうになりつつ

炭治郎が更に顔を赤くしてしまって
小さく萎縮してしまったので

その様子から 炭治郎の身に
何が起こっているのかを
あげはが感じ取って

あげはも同じように顔を赤くしながら


申し訳なさそうに
あっちと向かいの部屋の方を指さして

「こ、ここじゃ色々と
集中出来なさそうだから、あっち、
あっちの向かい側の部屋行こう?」

「そ、そうですね。
そうしましょう!
それがいいと思います!俺も」


持って行く物があるから
先にあっちの部屋に行っててと
向かいの板の間の張り替えた方の部屋に
炭治郎と禰豆子を誘導して

炭治郎が案内された板の間の
中央に置かれた座布団の上で
正座をして待っていると
あげはが部屋に入って来て


「炭治郎君に
相談したかったって事なんだけどね。
これの事で、相談したかったの」


そう言いながら炭治郎の前に

懐紙の上に乗ったある物を並べた


並べられた3枚の懐紙の上には

それぞれに


熟成の途中のポプリを砕いたものと

線香を粉末にしたもの

そして石鹸を削った物が 乗せられていた


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