第43章 箱と袋の中身…

「これは、ほんの桜餅のお礼です。
本当は、あげはちゃんに
お土産のつもりで
買った物なんですけど～。
煉獄さんから、
あげはちゃんに渡して貰いたくて」

「しかし、それは
甘露寺が…購入した物じゃないのか？
俺からじゃなくて、君から渡した方が…」

ふふふふと蜜璃が杏寿郎の言葉に
不敵な笑みを浮かべて声を出して笑うと

「大丈夫です！問題ありません。
もう一つありますから！」

もう一つあるからどうなのだろうか？

そう説明の足りない蜜璃の言葉に
杏寿郎は疑問を抱きつつも

蜜璃のテンションが異常に高いので

それが蜜璃の中では
何か意味があるのだと言う事は
杏寿郎にも伝わったが
要領を得ておらず伝わってこない

「っと、甘露寺。
何がもうひとつあるんだ？」

「これです。同じ物なんですけど」

そう言ってさっきのと同じ大きさの
蓋の色の違う箱を出して来て

その箱の蓋の色味が一つは
杏寿郎を思わせる赤をしていて

もうひとつの方は
あげはの髪の色である藤色をしていて

「気になってたんです、私。
もうそろそろじゃないかなぁーって」

また甘露寺だけが理解出来ている前提で
蜜璃が言葉足らずに話をして来て
その答えを求めるべく蜜璃に言葉を掛けた

「もうそろそろ？
何がもうそろそろなんだ？甘露寺」

「琥珀糖です。前に一緒に
あげはちゃんへのお礼にって、
煉獄さんと選びに行ったあの琥珀糖。
琥珀糖の賞味期限って、
確か、一ヶ月ちょっとなんです。
だから、そろそろ
食べれなくなる頃かなって」

蜜璃の言葉にあげはへの礼に
琥珀糖を購入した時の事を思い出す

「あげはちゃんの事だから、
食べずに取ってるんじゃないかなって。
そのまま捨てちゃうのは、勿体ないですし。
これが、その代わりになったらいいなって。
丁度、私が行った時は
前のと同じのが売り切れてしまってんで。
同じのがなくて、残念だったんですけど。
でも、これだったら…って」