第43章 箱と袋の中身…
その頃 応接間には
杏寿郎と蜜璃の姿があった
「甘露寺。わざわざ
来てもらってすまなかったな!
本当はもっと早く、
話すつもりだったんだが。
こんな時間になってしまった」
「いえ。煉獄さんが
あんな風になるだなんて、
意外でしたので。でもでも。それだけ
あげはちゃんの事を煉獄さんが
大事にしてくれてるって事も分かりましたし。
あげはちゃんが煉獄さんの事を、
頼りにしてるって事も
分かったので…」
あげはが倒れて目を醒ました後の
杏寿郎へ示した態度について
蜜璃がそう言って来て
「ああ、あれは…、きっと
まだ半分寝ぼけてたんだろうが…。
どうだろうな、俺はあげはに
頼りにされているんだろうか?」
「頼りにされてるじゃないですか!
私、見てて思いましたもん。あ!
煉獄さん、私気になる事が…」
「何だ?甘露寺、言ってみてくれ」
「あのぉ~、お手紙に書かれてた件って
あげはちゃんには内緒だったりしますか?
あげはちゃんと、少し話したんですが。
それらしいこと、何も言って来なくて…」
ふっと杏寿郎が
蜜璃の言葉に笑みを浮かべて
「ああ。俺は君に
依頼したその件については。
あげはには、詳細は説明していない。
それにあげはには、
当日に君が来る事も伏せてあるが?」
蜜璃がハッとして自分の口を
自分の手で覆うと
「これも、
内緒なんですか?煉獄さんっ」
「俺は秘密が多すぎるとでも、
言いたいのか?甘露寺。
工藤にも隠し事をするなとは
言われはしたが。
これは隠し事と言うよりは…」
ガタンと蜜璃が机に手を付いて
立ち上がると
「隠し事でないとするんだったら、
そうね、そうだわ。サプライズ!!
サプライズなら、いいと思います!
いやん♪ドキドキしちゃうわ、責任
重大だわっ。困っちゃう。
あっ!そうだ、忘れる所だったわ」
蜜璃が何かを思い出して
大きな声を上げると
応接間のガラステーブルの上に
小さな箱を置いた
「これなんですど…」
「甘露寺、これは?」