第42章 その瞳に映る物
太陽…?
ヒノカミ神楽の動き 円を描く動きが多い
まるで 刀身に纏った炎で
日輪を描くような…そんな動きだ
それにあの威力… 水の呼吸よりも格段に上だ
鬼の弱点は…陽光なのだ
鬼の身体を焼く ヒノカミ神楽の炎は
ヒタッと冷ややかな感触が
炭治郎の額の痣の上を撫でて
その冷ややかな小さな感触が
禰豆子の手なのだと気付いた
「むぅー?」
心配そうに炭治郎の顔を見上げている
その顔と目が合ってしまって
よしよしと炭治郎が禰豆子の頭を撫でる
「大丈夫だ。禰豆子。
お兄ちゃんは大丈夫だ、
心配いらないぞ?
優しいな、禰豆子は。
ありがとう心配してくれて」
「すいません、お話の所。継子様。
お風呂のご用意が出来ましたので、
お声がけに来ました。
炎柱様は甘露寺様と、
まだお話の途中であります故。
継子様にお先に、
お入りになって置く様にと…」
障子の向こうから申し訳なさそうにして
春日の声が聞こえて来て
「あ、はい!
ありがとうございます春日さん。
っと、禰豆子はどうする?
あげはさんは今は
禰豆子とは入れないんだ。俺と…」
「多分、禰豆子ちゃんの事は
蜜璃ちゃんが
お風呂に入れてくれると思うよ。
禰豆子ちゃん、蜜璃ちゃんの事
気に入ってるみたいだし。
蜜璃ちゃんも禰豆子ちゃんの事、
妹みたいで可愛いって
思ってるんじゃないかな?蜜璃ちゃんも
確か、兄弟が沢山いたはずだから」
そのあげはの言葉を聞いて
炭治郎の顔が明るくなる
「だから、甘露寺さんは小さい子の
扱いが上手だったんですね。あ、
あげはさん、すいません俺、お先に
お風呂頂いて来てもいいですか?
その、お話が…」
「ううん、話はもうこれで終わりだから。
まぁ、あくまで、私が、あの時
感じた事…でしかないんだけど。
お風呂、行って来て?炭治郎君。
私はここで禰豆子ちゃんと、炭治郎君が
帰って来るの待ってるから」