第42章 その瞳に映る物

「ちょ、バカっ、伊之助、
誰がお前の食べかけなんて食べるのさ！
春日さんに失礼でしょーがっ。
うちの伊之助が、こんなんですいませんねぇ、
春日さん。あ、こっち。
新しいお皿あるんで、これ食べて下さい。
羊羹と、後最中も。はい、どーぞ」

そう言って善逸が予備の取り皿に
新しい箸を使って
羊羹と最中を乗せると
その皿を春日に差し出して来て

思わずそのままどうもと
善逸が差し出した皿を
春日が受け取ってしまっていた

「じゃあ、俺、春日さんの分のお茶
用意して来ますから。
待ってて貰っていいですか？」

そう炭治郎が春日の分の湯飲みを取りに
台所へとさっさと向かってしまって

伊之助と善逸　そして炭治郎の
３人の動きの統制が取れていて

「春日。諦めるといい」

そう杏寿郎に留めを刺されてしまって
拒否はもうできないと諦めたのか

「はい、春日さんはここね」

そう言って善逸が
開いていた間の場所に
春日の分の座布団を用意して
そこに春日に座る様に促した

「はん？何だよ、紋逸お前、
イスガに親切過ぎんだろ？」

「当たり前でしょ？俺は
世界中の女の子と女の人の味方なの！
親切にするのは当然でしょ」

その後春日さんも一緒に
皆でお茶を飲んで


その後

夕飯も済ませた


あげはもあの後１時間程休んで
体調も回復したらしく

あの時の和菓子に手を付けたなかったので
心配していたが

夕食もいつも通りに食べていたので安心した


甘露寺がいるといつもよりも
使用人達も食事の用意と給仕に
大忙しの様だったが

甘露寺が凄い勢いで食べていって
自分の横に空になった器を
高く積み上げて行く様を

使用人達はニコニコしながら見守っていて

甘露寺が食事を摂るのを初めて見た
竈門少年達が大口を開いたままで
固まっていたのは見ていて面白かった


「すいませぇーん、
これ。お代わりいいですか？」

「凄いですね、煉獄さんもだけど。
甘露寺さんも凄い
沢山お召し上がりになるんですね」