第42章 その瞳に映る物
「あげは。
お小言なら、後で聞こう。
それから当然、
その後は続きもになるがな!」
そう言って杏寿郎が口の端を曲げて
あげはは頬を赤く染めてしまって
掛け布団を
上に引き上げて自分の顔を隠した
「もう嫌っ、この恥ずかしい人っ…」
「やん♪
あげはちゃん、照れちゃって可愛いわ~」
「甘露寺様、
こちらが甘露寺様の桜餅になります」
そう言ってお盆に山盛りに積み上がった
桜餅を蜜璃の前に春日がドンっと置いた
「まぁ、美味しそうだわ。桜餅、
まぁ、こんなに沢山、
頂いちゃっていいのかしら?」
「ああ、遠慮なく食べるといいぞ!
甘露寺。その桜餅は
甘露寺、君へのお礼だからな!」
「継子の皆様も、どうぞ。
こちらが取り皿にあります」
そう言って春日が取り皿と箸と
お茶をひとりひとりに配って行く
「鏡柱様もどうぞ
と言いたい所にありますが、
お加減は如何にありますか?
後になさいますか?」
「え、あ、はい、すいません、
取り皿…、頂いて置きます。
ありがとうございます。春日さんにも
ご心配をお掛けしてしまい…」
「いえ、そのお陰で
いい物を見させて頂きましたので。
春日は役得にあります…」
そう言って春日が頬を赤らめながら
くねくねと身体をくねらせた
その動きとリアクションが
大口で次々に桜餅を平らげる
親友と重なって
ああ 確かに この二人は
気が合いそうだわとあげはは思って居た
春日さんから皿を差し出されてそのまま
流れで受け取ってしまったのはいいけど
正直 まだ 今すぐには
食べれそうな感じじじゃないんだけどな
それにしても 凄い量の和菓子だな
桜餅 羊羹 みたらし団子 お饅頭 きんつば
ちょっとした和菓子パーティーみたいになってる
それから 柏餅 わらび餅 葛餅 最中
後 おはぎもあるな…それから上品でいて
色とりどりの花や うさぎの形をした
練り切りもある 可愛いな 練り切り