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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第42章 その瞳に映る物



「う゛…っ、ん…」

「あげは、…苦しいのか?」

酷い夢でも見ているのか
あげはが唸り声を上げて顔を顰める

そっとその額に浮かんでいる汗を
杏寿郎が自分の手の平で
拭ってやっていると

春日が井戸の水の入った桶と
手拭いを持って入って来て

「炎柱様、これをお使い下さい」

ギュッと絞った手拭いを
春日が杏寿郎の方へ手渡して来て

俺が自分でそうしたいと思って居るのを
春日が感じ取ってくれたのだと知った

「あ!そうだわ、春日さん、気付け薬!
気付け薬ってあるのかしら?」

そう蜜璃が春日に気付け薬を
置いていないかと確認をすると

「気付け薬でありますか?
それならあります!すぐにご準備を…」

春日が慌てた様子で気付け薬を
取りに広間を後にした


スッと…その時

あげはの瞼が開いて

その目の焦点は虚ろだった


「あげは?気が付いたのか?」


目は開いてるがここを見てなくて

どこか別の世界にでもいる様な

そんな目をしていて


それよりも 驚いたのは


あげはの左目がまだ銀色のままで

呼吸の影響を受けたままだと言う事


この目の色になるのは

型を写し取る短い時間だけのはず


「あげは、あげは?
聞こえているのか?大丈夫か?」


杏寿郎があげはの上半身を抱き起して
その手で頬を打とうとした手を蜜璃が掴んだ

「煉獄さん、いけないわ。
あげはちゃんの顔、叩いちゃ。
煉獄さんが、あげはちゃんが、
心配なのは分かりますけど。春日さんが
気付け薬、取りに行ってくれてますから。
持って来てくれるまで待ちましょ」

そう言っている間に
春日が気付け薬を持って来て

「すいません、遅くなりまして
申し訳ございません。
炎柱様、これを鏡柱様にお使い下さい」

杏寿郎の方へと差し出して来て
杏寿郎がそれを受け取ると

意識が混濁しているあげはの鼻先に
杏寿郎がその瓶を近付けて嗅がせる



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