第42章 その瞳に映る物
「あげはさんと、冨岡さんが
師弟関係でその上、姉弟弟子だったなんて、
俺何だか、嬉しいです」
その後 炭治郎君達と稽古を再開して
しばらくした頃に
伊之助が声を掛けて来た
「あげる、お前、前に紋逸の技
その目が光る奴で真似してただろ?
あれ、権八郎のアレにもできんのか?」
「善逸君に私がしてた事が、
炭治郎君に出来るかって事?
鏡眼の事?
それは出来るには出来るけど…」
「ああ、そうか、伊之助。伊之助の
言いたい事が分かった気がするぞ。
あげはさん、前に善逸に使っていたあの
鏡の呼吸の型で、俺の使う
ヒノカミ神楽をマネできるのかって
そう言ってるみたいです」
ヒノカミ神楽…
あの列車で炭治郎君が
杏寿郎に
ヒノカミ神楽について尋ねてたけど
炭治郎君の使う
あの変わった呼吸の音のする型は
杏寿郎の使う 炎の呼吸とは
呼吸の音が全然違っていて
何だろうな 私が
あの呼吸の音を聞いたのはあの時
炭治郎君があの鬼に刀を投げた時だけど…
音の重み…の違う呼吸だ…
不思議な呼吸
「でもアレを使うと、いつも
しばらく身体が動かなくなるって
炭治郎君言ってなかった?
無限列車の時だって、
それを使ったから、
動けなくなちゃってたって」
「ええ。そうなんです…恐らく、
お恥ずかしい話なのですが。
俺の身体が、ヒノカミ神楽に、
あの呼吸に付いて行けてないから。
でも、あげはさんだったら
元々の呼吸の基礎も出来てるし。
俺よりも、
使いこなせるかも知れませんし。
それに俺の家に伝わる神楽が、
何か…満月の夜の戦いに、
生かせるかも知れませんから」
協力をしたいと
そう炭治郎が申し出て来て
しばらく動けなくなるのを承知で
炭治郎君が
そうしたいと言ってくれたのだから
その気持ちを無駄にするのも行けないし
炭治郎君が言うには ヒノカミ神楽は
水の呼吸よりも威力が上で
ある程度の 炎の呼吸が使える私にならと
そう言っていたけど…
ざわざわと心が騒がしい
何だろう 落ち着かない