• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第41章 羊羹と羽織


それの指し示す所は…きっと

彼を斬った後の 
私に彼が望んでいる事なのだろう



鏡柱の羽織


杏寿郎はずっと私に着て欲しいと言っていた


一度は手放した物だったのに


再び 戻って来た 私の羽織…


杏寿郎は 私がそのどちらを選んでも


私を守って支えて愛してくれると


そう言ってくれていたけど


果たしてそれは…彼がそうしたいと思うのは


きっと それを
私が望んだ時の事であって


彼の為にそうしたいと 
私が願った時ではないはずだ


どうして 気が付かなかったんだろう 私は


この 羽織が 今の私の元にある意味に


いや 気付きようも無かったんだ

今までの私だったら 気が付くはずもない


私がこれに気が付けたのは


私が これを着たからだ


ギュッと自分の身体を抱きしめる
その羽織を包む様にして
指先が震える 震えて冷える氷の様に


私は何を選んでも

どっちの彼の事も 裏切り続けるのだろうか?

自分が着ていた羽織なのに

ズンと自分にのしかかって来て


たかだか 一枚の羽織がこんなにも重いとは

この羽織の重さに押しつぶされそうな程に

息苦しさまで感じる


でも 杏寿郎なら きっと

重いならひとりで背負わなくていいって

その重責を分けて欲しいって


言ってくれる……? 杏寿郎なら


それに 今朝 私がこれを着ている姿を見て


杏寿郎はあんなに喜んでくれた


杏寿郎の望みでも…あるんだ

私がこれを纏う事 鏡柱として在る事

自罰的になりすぎると
昼間に言われた言葉を思い出して


そうだ 考え過ぎちゃいけない


自分だ 

自分で決めていいって

こうしなくちゃとか 

そうしてあげなくちゃに

拘らなくていいんだって


そう思った瞬間に


ふわっと

軽くなった







/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp