• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第41章 羊羹と羽織


今まで 私が
世界だと思って居た場所が

彼の居る所から鮮やかに

彩を持って 塗り替えられて行くかの様で


変って行く自分を 恐ろしいと

思う気持ちも 今はなくて

この変化すらが 愛おしいと感じる



ああ 何て 世界は美しいんだろう…



守りたいと思った


彼の居る この世界を守りたいって



ギュッとあげはが拳を握ると


腰に差した日輪刀の柄に手を添える


彼に剣を向ける事


恐ろしいとそう ずっと思って居た

願って居ながらに ずっと

自分にそれが出来るのかと怯えていた


でも 自分でも分かる


辛いと言う気持ちが
無くなりはしないだろう

でも それでも 私は


彼の…透真さんの その全てを…

背負って…進まなければ


彼と対峙した時の事を想像する



その時が来たら



その時が 来たら…

彼は私に 何を言うのだろう?



私は 彼に 何を
伝える事が出来るんだろう?



「透真さん…、私は…」



謝罪でも 感謝でもないなら



何を…言えば いいんだろう?


そんな事ばかり考えてしまう

考えても考えても答えなんてなくて


どんな言葉すらも 

この感情には足りなくて


けど 気付いているんだ 



彼の望みは終焉なのだと…



彼自身にそれが叶わない願いなのだと


そして この羽織が 

今ここにある理由は


きっと彼がそれを望んだからだ


私が鏡の呼吸を手に入れたのは

他の誰でもない 彼が居たからだ


彼が私の中に眠る 
その才能に気が付いたからだ


私がこれを身に纏い 鏡柱として


三上透真と言う 上弦と匹敵する力を持つ



鬼を斬る事…



/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp