第41章 羊羹と羽織
「え?でも…煉獄さん。
あげはちゃんはいいんですか?
私が、こんな事を言うのは、
失礼にあたるかも知れませんけど。
内緒にするのはあまり、良くないんじゃ」
心配そうな顔をして
蜜璃が杏寿郎を見ていて
「後で、ちゃんとあげはには話す。
だから甘露寺、
そんな顔をしなくていいぞ?
出たついでに、
この前話していた桜餅を買って来る。
あの時約束しただろう?」
「桜餅!わかりましたぁ!!
春日さんと、お話して待ってます。
ちゃんと、その、あげはちゃんには…」
桜餅と言う単語が出て
落ち込んだ様な顔をしていた
蜜璃の顔が明るくなる
「ああ。話す。それは約束する。
だから、甘露寺安心してくれていい。
君には、色々と迷惑を掛けるな。
ではな。工藤…行くぞ」
そう言って杏寿郎が笑うと
春日と蜜璃を残して
杏寿郎は工藤とそのまま廊下を歩きながら
話を始めてしまった様で
「それでは…、
甘露寺様。どうぞ、こちらへ」
「蜜璃でいいわ。春日さん。
煉獄さんはいつも、あんな感じなのかしら?」
普段とは違う様子の
落ち着かない様子の杏寿郎が気に掛って
蜜璃が春日に尋ねた
「蜜璃様。確かにこの頃は、炎柱様は。
鏡柱様とのご結婚や結納の準備で、
連日気を張っておられる様子。しかし、
一番、その辺りの調整で苦労しているのは、
うちの工藤にありますが…ね」
「まぁ、そうだったのね…、
心配だわ。気になるわ、…あら?」
蜜璃はその春日があげはを
鏡柱と呼んだ事に
違和感を感じていた
あげはちゃんが
柱に戻ったと言う話は聞いていなかったし
柱には今は空席はないのだ
それに さっきの
あげはが身に纏っていたあの羽織は
あげはが柱の時に着ていたと
前にしのぶから聞いた羽織りの
特徴に似ていた
真っ白の羽織に 花の様な模様の
銀糸の刺繍が施された羽織
私はあげはちゃんが
柱を辞めた後に鬼殺隊に入ったから
しのぶちゃんからの
話でしか知らないんだけど…