• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第40章 気持ちの跡




さっき 杏寿郎がつけた印の事を


「杏寿郎…確かあの時、
鏡…見てみろって言ってた…け?」


周囲に誰もいないのを
目と気配で確認すると鏡の前に立って

あげはが自分の隊服の襟の留め具を
外すとそのまま第一ボタンも外した

自分の胸元を開いて

デコルテの辺りを鏡に映して

杏寿郎が付けた跡を確認すると


いい出来だったと言う杏寿郎の言葉通りに


左の鎖骨の下の所にあったのは


只の跡ではなくて


ハートの形をした 印で


「なっ、これっ…ハート形してるっ」


それも 数回に渡って付けただけあって

普通に二つ分の跡を
くっつけた大きさじゃなくて


ちょっと… 大きいな これ 


凄い 目立つ… けど


迂闊にも可愛いと思ってしまった


自分の心臓のすぐ上にある
その杏寿郎の付けたハートの印に
あげはが自分の指を重ねた

普段だったら 跡なんて残してと

怒りたい所なのに…


まるで 杏寿郎の気持ちの様に感じてしまって


「杏寿郎の…バカ、別に嬉しいとか、
そんなんじゃ…ないし、うん、ない。
んん?…決して私はそんなっ…ううっ」


その跡を愛おしいと感じてしまって
鏡の中の自分のそのハートの部分を
そっと指先でなぞった


「杏寿郎…もう、バカじゃないの!
こんなの…残しちゃうなんて
…本当にッ。杏寿郎のバカ、…好き」


自分の中で熱がくすぶってる

どうにも 自分も杏寿郎に

感化されてしまっているようだった


どうにも 自分の感情を持て余していて

どうにも 抱かれる事の叶わない


今が もどかしい……


自分でも怖いくらいだ

その 月の物が終わった後の自分が

それこそ 限りなくに彼を
求めてしまいそうでいて


ぼんやりと 鏡に映ってる自分を見ていて

杏寿郎も 跡付けて欲しいとかって

思ってるのかな?とか

跡とかってつけた事…ないけど

確か…方法があった…様な?

前に買った 女性向けの雑誌に
そんなページがあった気がする
ちょっと 練習…してみようかな?


しばらく その跡を眺めていて


ハッとあげはが我に返ると


「って、する事あったんだった。
こんな事をしてる場合じゃなかった」




/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp