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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第6章 無限列車にて 後編


ー彼女ーと聞いて
猗窩座がピクリと反応を示す
その僅かな変化を
炭治郎は匂いで察知した

女? 女がどうしたと言うんだ?
女は弱い 弱い女が1人
来て何になると言うのだ?
全くもって 理解できん

「その女は、お前の恋人か?杏寿郎」

この鬼は何を言ってるんだ?
その様な事に興味が
あるわけでもあるまい
「俺と彼女は、君が期待するような
間柄ではない!何故、君がそんな事を
気にかけるのか、俺には理解出来ん!」
スッと目を細めて猗窩座が笑った
「えらく、饒舌だな。
杏寿郎、気があるのか?」
「なっ、君は、何を…言って。
そんな事、関係ない話だ!」

「その女は、何処にいる?」
「そんな事、答える訳が…」
ないと言葉の続きを
杏寿郎が続けるよりも速く
一瞬にして間合いを詰められ

下から杏寿郎の顔を
舐めるような視線で見上げると
薄気味悪い笑みを浮かべた
ニタァっと

さっきから 煉獄さんはあの鬼と
何の話をしているんだろう?

2人が交わしている会話は
善逸の耳なら聞き取れたかもしれないが
炭治郎の耳では
聞き取ることはかなわなかった
わかることと言えば
風に乗ってこちらへ流れて来る
杏寿郎の匂いに
動揺が混ざっている事 ぐらいだった

目の前では以前
凄まじい打ち合いが繰り広げられていて
こことあちらとでは
まるっきり別の
遠い世界の様にも感じられる
ともすれば その姿を
見失いそうになりながら
炭治郎は見守ることしかできないでいた
 
やはり 煉獄さんに
ああは止められてしまったが
あげはさんを呼びに
行ったほうが良いんじゃないか…
炭治郎はそう考えていた

「君が、彼女に会ってどうする?」

目の前の鬼に杏寿郎が尋ねた
武にここまで強く拘る鬼が
何故彼女に興味を持つと言うのか…

あまつさえ 物事の良し悪しでさえ
強いか弱いかで決めかねない様な
考えをしていそうでさえある…この鬼が

「その女の何が良いんだ?
…顔か?それとも…身体か?」

鬼の言葉に杏寿郎は
呆気に取られてしまった
この鬼の考えが
ますます 分からなくなって来る

「…君が、ソレを聞いてどうするんだ?」

俺が彼女の顔が好きかとか
ましてや…身体…が
好きかなど…そんな

ニヤリと含みのある笑みを浮かべて
猗窩座はこちらを見ていた

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