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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第40章 気持ちの跡


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炎屋敷まで取り急ぎ戻ると

どうやら中庭の方が騒がしい



「中庭で少年たちは
鍛錬をしてる様だな、
うむ!感心だな。
ん…?どうした?あげは」


中に急ごうと言いたげに杏寿郎が
炎屋敷の門をくぐろうとしていた時

杏寿郎の羽織を
くいっとあげはが引いて
杏寿郎の足を止めさせて来る


「あげは…?」

「あの、杏寿郎…。
屋敷に入る前に少々…。
その、お急ぎにある所、
申し訳ありませんが。
少しばかり私に貴方の貴重な、
今のお時間を…頂けませんでしょうか?」

そんなにお手数は取らせませんと
あげはがそう付け足して来て

敢えて 今 この状況下で

わざわざ俺を引き留めてまで
あげはが今 俺に伝えたい事とは
一体何だろうかと思いながらに
あげはへと返事を返す


「あげは?何か気掛かりでもあったか?」


「気掛かり…と言うよりは、
どちらかと言うと、心残りの方です」


彼女は 気掛かりがある訳ではなくて

心残りがあると言う


彼女の あげはの心残りは何だろうか?


「…っ、心残り…か。あげは、
君の心を晴らしたいが、その訳を
俺に話してくれるだろうか?」


そう言って杏寿郎が
あげはの視線に
自分の視線を合わせて来て


そのまま じっと見つめられてしまう


「今日は、
ありがとうございました。杏寿郎。
その、一緒に来て…頂いて。
私は、貴方に礼を言わなくてならない事
ばかりにありましたね、今日は。
いつも、杏寿郎には感謝をしておりますが。
本当に…今日は、貴方に
惚れ直させられてしまうばかりにあります」

「………!!」

あげはに感謝の言葉を連ねられてしまって
杏寿郎が目を見張ると

杏寿郎が自分の手の平を徐に
自分の額に手を当てて
反対の手の平をあげはの額に当てて来る

「熱はなさそうだが…、大丈夫か?」







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