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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い



その藍色のは神崎少女にだろうか

小さいその巾着は
あの3人娘へだろうか

その巾着を選ぶあげはを見ていると

自然と口元が緩んでしまうな

きっと今の彼女の頭の中には
それを貰って喜ぶ
面々の顔が浮かんでいるに違いないな

人の事を考えている時のあげはは
穏やかで幸せそうな表情をしている

「あ、あの…今、気が付いたのですが。
これ、花びらだけじゃなくて。
蝶になっているのもあるのですね。
奥にあるやつ、あれは商品にありますか?」

あっちとあげはが指をさして
いる方を店の主人が見ると

「ああ。姉さん。
あれですかィ?良く見つけやしたねィ。
これは…大分前にかみさんが、
いつものじゃつまんねぇって。
作ったやつにあるんですがねぇ。
蝶よりも花の方が良く出るんで、
奥にしまってたんですが。
こっちの方が
お姉さんは気になりやすかィ?
だったら、ちょっと待ってなせぇ。
こっちに出して来やしょう」

そう言いながら裏の奥に
隠す様にしまわれていた

その花びらの部分が蝶の羽の形になっている

巾着を主人がまとめて持って来ると

あげはの前にそれを並べて行く

あげはがその巾着のひとつを手に取って
しばらく眺めているとそれを置いて

指をさしながら個数を数えると
うんうんと納得をした様に頷いていて

全て生地の柄も違う
色味も微妙に違ってるその12の巾着を

がさっと一所に集めて
両手で包む様にして添えると
店の主人を呼び止めて

「すいませんこれ、全て頂いても
よろしいでしょうか?」

「あげは?流石に12も
要らないんじゃないのか?」

その巾着を全部買いたいと言う
あげはの言葉に杏寿郎が
驚いてそう声を思わず掛けてしまった


「買うのは私にありますよ?杏寿郎。
いえ、これでも足りないかも知れません。
後、その店先にあるちりめんの端切れが
沢山入ってるのも、一緒に頂きたいです」


蝶屋敷の面々とそれに竈門妹に
渡したとしてもそんなに要らないと


俺は思うのだが…


そんなに沢山の巾着袋を
あげははどうするつもりなのだろうか


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