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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い


「まぁ、確かに。
君が言う通りに、あの時不満も
多少、漏らしもしたが。
あまりいい気分はしてなかったのは
事実ではあるが…?」


「すいません…」


「謝る必要もないがな?
あの時がそうだっただけだ。
あげは。今は俺には、君が
そうしたいと願った理由が
ハッキリと分かっているからな」


そう杏寿郎が言って笑みを浮かべた



「人間の記憶は、嫌な記憶、
不快な感情を伴う記憶程
色濃く残るのはご存じにありますか?
それは、感情の記憶と物事の記憶を
脳が二重に記憶するからです。
より記憶として残るのです。
嫌な事を思い出すと、
またイライラしてしまうのは
それを再び、感情として思い出すからです。
思い出してイライラすると、
脳がそれをまた記憶するんです」

「思い出す度にそれを繰り返すから、
嫌な記憶は忘れないと
言う事なんだな。成程」


「コホンっ、えっと、お話が随分と
盛り上がってる所申し訳ありやせんが」


すっかりと
2人で話し込んでしまっていて
店の主人をほったらかしに
してしまっていた現実に引き戻された

「すまないな、主人。
あげはは、興味のある物の話を
話し出すと止まらない癖があるんだ」

「ううっ、すいません。
ご迷惑をおかけしまして。
お恥ずかしい…ッ。
つい、話し込んでしまって…。
えっと、
こちらで取り扱っておられる、
あの花びらがあしらわれている
巾着袋が欲しくて、こちらに伺ったんです」

「ああ。昨日のアレですかィ?
あの巾着が気に入ってうちに?
そら、うちのかみさんも喜ぶってぇもんでぇ。
あれは、うちの女房の手作りでね。
ああ、これだろィ?巾着袋。
大きめのと
小さめのもあるがね?どうだィ?」

昨日杏寿郎から貰った
巾着の大きさ違いや
柄の違う物をあげはの前に
次々に並べて行って見せてくれる

「使われているちりめんも、
色々とあるのですね。この色も
こちらの、濃い藍色に近い色味も
淡いピンクと水色と黄緑の
小さい方も可愛らしいです」



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