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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い


「なっ、何故それを?
そこまでお分かりなのでしたら、
此方の様な高級な
レースのハンカチではなくて。
そちらの方に並んでる、
普段使いの物で
十分にありますよ…杏寿郎」

そう言って見透かされてしまって
残念そうな顔をしながら
あげはがそう言って来る物だから

それに…だ 

高級なレースのハンカチではなく

普段使いのハンカチでいいとまで

言われてしまって

遠慮に遠慮を重ねられてしまったか


「俺としては、
使って貰いたいのだがな。
今日は君の素晴らしさを、
改めて知る事ばかりだったからな。
その君への俺の気持ちに、
何かを贈りたいと思ったんだが。
丁度、あの時君が悲鳴嶼さんに
ハンカチを貸していたから、
ハンカチが良いかと思ったんだが。
だが、あげは。君にハンカチひとつ
使わせようとするのも、至難の業だな」

「なっ。杏寿郎。
しかしながらにありますね、昨日も
色々と頂いたばかりにありますのに。
それに、例えポプリの下に
敷いたとしたって、使ってるのには
変わりなくはありませんですか?」

それも使用しているのには
違いがないとでも言いたげに
あげはがそう言って来て

物を貰ってばかりでは
申し訳ないとばかりの口ぶりで

「昨日の紅は、前に街に行った時に
紅を贈ると話していただろう?
それに…だ、君の髪の香油を
無駄にしてしまったのは俺だからな。
それは、昨日の話だろう?あげは。
俺は今日の君を見て、そうしたいと
そう思ったと言ってるんだが?」


そのあげはの言葉に杏寿郎が
腕組みをしたままそう言うと
更に言葉を続けて行く


「だが、俺が思うに。
バラの花束を贈っては、方々に
ばらまかれ。ハンカチを贈っては、
ポプリの下に
敷かれる男も俺ぐらいだと思うがな」

杏寿郎がそう言ってふっと笑って

その呆れた様な
困った様な笑顔を見ていると

彼を不快にさせてしまったのだろうかと

そう思えてしまって


「あの…、杏寿郎?その…」





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