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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い



「別に俺は、
怒ってる訳じゃないぞ?あげは。
君らしい…と俺は言ったんだ。
それに、俺の贈った気持ちを君が
無下にした訳ではないのは、
あの時の
あの君を見たら分かる事だからな。」


そうだった 

杏寿郎に見られてたんだった


あのガラスの器に
杏寿郎に貰ったバラで作った
ポプリを入れている所 

見られてたんだった

それに今だって

杏寿郎がくれるって言ってる

そのレースのハンカチを

そのバラのポプリの
器の下に敷くつもりで居た事を
杏寿郎に見透かされてしまっていて

「でも、杏寿郎からすれば…。
あまりご気分が良くなかったのでは…」

「俺が贈ったあのバラを、君が
大事にしてくれている
何よりの証拠にあるようにあるが?
違うか?あげは。
君がそう、
このハンカチを見て思ったのは、
それだけ君があのバラの事を
思ってくれているからだろう?
まぁ確かに、周囲に配り出した時は
流石の俺も驚いてしまったがな!」

「確かに、花瓶に生けて枯れるまで
眺めておいても、良かったかも知れませんが。
あの時、杏寿郎にバラを貰った時。
とても、嬉しかったのです。私は。
それに今日だって、杏寿郎が
私のあの振袖の事を考えていてくれて。
私は、とても嬉しくありました。
だからこそ、勿体ないと…そう思ったのです」

「勿体ない?バラが枯れてしまうからか?
また贈ると言ったのも、断っただろう?」

「確かにあのまま
あのバラが枯れてしまっていたとしても、
私の頭の中の記憶として、この胸の中に
想い出としてそれは残りますが…。
残しておきたくて…、その形としても。
記憶…としても、嬉しいと言う気持ちも…。
残して置きたいと、思ったのです」


そう言って自分の胸に手を当てて
あげはがその目を伏せる


そう言えば さっき

すき焼の店で言っていたな


あげはは知っていたからだ

記憶と言う物が 年月を経ると共に


失われて行く物なのだと



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