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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い



そう言い終わるや否や

グッと強く杏寿郎が
あげはの手を掴んで来て

返事を返す間もないままに

物凄い力で腕を引っ張られて


あれよあれよと
そのまま その場から 

猛スピードで走り出していた

その勢いに引きずられる様にして走りながら

あげはが杏寿郎に声を掛けた


「ええ?ちょ、杏寿郎ぉ…
あの、どちらへ?走るぞも何も、
既に走っておいでにあられますが??
私の勘違いでなければ、
その様にありますが…?」


そう問いかけて
横顔を見て気が付いた

「兎に角、その…急ぎだったんだ!」

と杏寿郎が言って来て
その彼の耳の後ろが赤く染まって居たから

「急ぎ…にありますか?」

「そうだ、…その、急ぎだ」

杏寿郎もあそこが往来の真ん中なのを
すっかり忘れてしまって居た様だった

思わず それが可笑しく感じてしまって

「それは随分な急ぎにあられますね」

そう言いながら
ぷっとあげはが吹き出し笑いをすると


「笑うんじゃない!あげはっ!
からかうのは、止してくれ。
俺だって…気にしている…ッ」

「ですが、そうしたのは
杏寿郎にありあますよ?」

「だが、それを受け入れたのは
君だろう?だったら共犯だ」


そう必死に言い訳がましく言って来る
彼を見ていると
余計におかしくなってしまって

「共犯も何も、
もう、私と杏寿郎は
運命共同体にありますが?違いましたか?」

空いている方の手を自分の口元に添えると

そのまま杏寿郎が何かを思案している様で

「あげは。君は俺を口説いてるのか?」

「いいえ。
口説いてはおりませんよ?杏寿郎。
今更にありましょう?口説くも何も
もう、とっくに私は
杏寿郎の物にありますのに?
ああ、でも。私が杏寿郎を口説いてると?」

「なっ、…君は自分が今、
何を自分が言って居るのか自覚してるのか?」

杏寿郎の言葉に何が?と言いたげに
あげはが首を大きく傾げた

「何がも何も、私は事実を
お伝えしたまでにありますよ?
私は、何か間違えておりましたか?杏寿郎」


杏寿郎が前を向いたままで
こちらを見ようとして来ない




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