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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第39章 気持ちと想いと願い


信じると言う言葉を
その言葉の意味を

自分の中で噛みしめていると


ふと ある考えに行きついて

あげはが顔を上げた


「あの、杏寿郎…、もしや杏寿郎は…私に」


ふっと目の前にあった
杏寿郎の顔が笑顔に変わって


「いいか?あげは。
失うのを恐れるばかりに、
気にし過ぎるばかりに、
君は周囲を守る事に、拘り過ぎるな。
どうせ、君の事だ。
君がずっとやっていた、
あの鏡の呼吸の細分化も皆を守る為の
手段にするつもりだったんだろう?
どうなんだ?違わないだろう」


鏡の細分化…は

杏寿郎の言葉の通りに

透真との戦いで

皆を守る為の手段にするつもりで居た


杏寿郎にはここまで

考えている事が突き抜けているのだと

そう感じずには居られなくて


あげはが言葉を返せないでいると

杏寿郎が続けて来た


「自分の身位は自分で守る!
曲りなりにも、俺達は鬼殺隊の柱だ。
君は周囲を気にしなくていい。
あげは、君は自分を守る事に
集中するんだ。
いいか、あげは。
相手の狙いは君なんだ。
この戦いは透真殿を救うだけではない、
君を守りながら
それをする戦いだ。はき違えるな」

私は誰かを守る戦いをするんじゃなくて

自分の身を守る事に集中しろと
そう杏寿郎が言って来て


「君はもっと、周囲を頼ればいい。
確かに君の呼吸は、
守る事に特化しているが。
だからと言って、
そうしなけばならないと。
固着する必要はない。
自分から助けるばかりで、
見返りは受け取らない…
そんな生き方をして来るからだ。
だから、それを纏めて返される事に。
何一つとして、遠慮する必要はないぞ?」

「あの、杏寿郎…だったら、私は?
私は、皆に何を返したらいいのですか?」



「簡単な事だ、違うか?あげは」


そう言ってふんわりと
穏やかな笑みを杏寿郎が浮かべて

その腕に包み込まれる

彼の瞳に私の顔が映っていて

その目に吸い込まれてしまいそうだ




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