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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第37章 牛鍋とすき焼きと胸の外と内 前編


「あー、三好小母さん。
そのー、白ご飯なんですけど。
おひつごと……で、
お願いしたいんですがいいですか?
多分大盛じゃ杏寿郎さんには、
間に合わないと思うので」


それからある程度
食事が進んで

お腹がある程度まで
満たされて来た頃に

あげはに対して
杏寿郎が問いかけて来た


「毎年…来ていたのか?」

「ええ。
毎年、私の誕生日と、父の誕生日……。
後、それから…、
母と、本当の娘さんの誕生日…に。」


母と娘と 聞いて

前に彼女から聞いた話を思い出した


そうか…命日ではなく

誕生日…に 来ていたのか


「ここのすき焼きは、
元々私の父の大好物にありまして。
何でも、父が医師の免許を取った時に、
父と親しかった友人達が
お金を出し合って、父に特上のすき焼きを
祝いにとご馳走してくれたんだと…。
そう毎回毎回。ここに来る度に
あまり強くないお酒を飲んでは
その話をしておりましたから…」

「そうか。この店は君にとっても
君の父上にとっても、
思い出のある、店…なのだな」

「もう。何言ってんだい。アンタ。
確かに血の繋がりは
ないかもしれないけど、あげはちゃんと
アンタのお父さんとは親子だっただろう?」


「ええ。そう…ですね。
そうであったと思ってはいるけど。
父が私に教えてくれた事、命を敬い
大切に重んじて来た事は、
今も…私の中に、息づいていますから…」


「じゃ、後は、二人きりでごゆっくり」


そう言い残して三好が個室を後にした


室内に2人きりになる



それは 医者と言う


誰よりも 人の死と向き合って


その生と死を 常に見ていた…


彼女の父が 

命を 死をどう 捉えていたのか


その考え方の思想が

彼女にも 受け継がれていると言う事……


彼女もまた

鬼殺隊として

そして 看護者として


多くの死を… その目で目の当たりにして


そうして行く上で 得たものなのだろうな





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