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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第37章 牛鍋とすき焼きと胸の外と内 前編


有無を言わせないと
そう言っている笑顔を向けて来て

ーシィイイ…ーっと

そのまま短い雷の呼吸を使って
電光石火の如くに
店の中を突っ切って行って


「おい、あげは……。あげは?
聞いているのか?あげは。
聞こえているなら、
返事位…したらどうなんだ?」


その名を呼ぶも
杏寿郎の呼びかけに対して
彼女はこちらを見ようともしない

無言のままであげはが

鬼の様な形相を浮かべているのは

その横顔からでも伺えるし


杏寿郎には目からだけでなくて
気迫……的な物でも
彼女の様子は感じ取っては居たが


急に機嫌を損ねた理由について


それを今は詮索するなと
その横顔が言っていたので

杏寿郎は成されるがままに

ズルズルと店の廊下を
あげはに引っ張られて


店の一番奥にある


他の個室からは離れた場所にある


金に輝く 鯉が描かれた襖絵が目を引く


部屋の前まで来ると


あげはが足を止めて


首根っこを掴んでいた その手が緩んで


杏寿郎に自由が戻って来る



「………」


ガラッと無言のままで
あげはがその襖を開くと

その襖の奥が
杏寿郎の視界に入って来て

襖絵もさることながらに

その内部に揃えられている
調度品も洗練されている様だった



これは…驚いた…な


かなり 格式の高い店の様だが……



その中でもこの部屋は 

特別な仕様の様だった


それこそ 

選ばれた人間の為の部屋……だな

ここは… 

政府の官僚や 要人を もてなす 

のに相応しい部屋だな 確かに


「しかし、凄いな……、いいのか?
こんな部屋を使わせてもらっても……」


あげはがここを使っていいと言われて
遠慮をしていた理由については


この部屋の豪華の襖絵と中を見て 

杏寿郎も理解したにはした




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