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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第37章 牛鍋とすき焼きと胸の外と内 前編



暖簾をくぐって中に入ると

奥の上り口の前に居た
仲居らしき和服姿の女性が
こちらに気が付いて近付いて来る

「ようこそ、いらっしゃ…って」

その女性があげはに気付くと
ぱぁっと表情が明るくなって


「あら!まぁ、驚いたよ。
誰かと思ったら
あげはちゃんじゃないのー?
今回は久しぶりじゃない?
ちょっと、間、開いてるわよね?
3ヶ月ぶりくらい?」

和服姿の上品な50代ぐらいの
女性がその上品な雰囲気からは
想像が出来ない位に心安い口調で
あげはに話しかけて来る

「えっと。そう…なるの、かな?
そんな久しぶりだったっけ?
ちょっと、ここの所。
仕事の方が立て込んでたからね。
それぐらいになるかな?」

女性の方も気安い口調だが
当のあげはの方も
それにかなり砕けた口調で返していたので


杏寿郎が面食らってしまい

あげはの後ろで
事の次第を見計らいながらも

自分はその会話に入るべきかと
戸惑ってしまっていると

その女性が今度はこっちを見て来て

痛い程の視線を
杏寿郎に対して向けて来る


「あらっ!!この人っ、いつもの
あの、小柄な蝶々の子じゃないのね??
もう一人の横結びの、蝶々の子でもないし。
他の蝶々の、子達でもないじゃないの。
もしかしてっ、こちらのお兄さん。
あげはちゃんのいい人だったり?
もう!あらぁ~、どうなの?
やだよぉ、アンタも隅に置けないね!!
男っ気が全然ないから、ずーっと
心配してたんだよ、おばちゃん。
あらあら。ちょっと、いい男じゃないの。
そちらのお兄さんの、お名前は?」

バシバシとあげはの背中を
その女性が割と遠慮のない強さで叩いていて

「痛いっ、痛いって…。
ちょ、三好小母さん……落ち着いてよ。
ちょっと、それ、止めてって。
痛いっからっ、それ、地味に痛いからっ」


その遠慮のない態度からしても

三好と言う女性は
かなりあげはと親しい間柄の様で

心を許している 気安い相手の様だが


小母さん と言う位だから

血縁関係には……無い様だが




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